知性とコミュニケーション

黒い薔薇

黒は、白を知ってなお、黒を選ぶ。

無垢なふり
腹の黒さに
咲く微笑み

選ばれしは
奪いやすさと
欺き易さ

やさしさも
弱さも全て
肥やしにし、

あどけなく
差し出すその手に
潜む棘。

気づかずに
伸ばした手から
血を流す

痛み知り
なおも祈った
愚かさよ

乾いた目
虚ろな笑みを
拾い食う

花は枯れ、
腹の黒さも
曝け出し

誰ひとり、
近寄らぬまま
朽ちてゆく。