管理栄養士の奥田千晶です。
お酒をやめたい、飲む量を減らしたいと相談されたとき、
・〆を食べることをすすめる
・転職をすすめる
・職場や家庭の捉え方のチェンジを促す
人によって言うことを変えています。
・率直な言葉づかいで理解が深まるか
・刺激が少ない方が聞くに抵抗がないか
・傾聴に徹するか
人によって態度を変えています。
2016年の独身だった頃はダイエットプログラムを対面で提供していましたが、2017年の妊娠を機にオンラインに切り替えました。
時と場合によって、やることを変えています。
コロナの前はオンラインで提供しようとすると、手抜きだと思われていましたね。
対面を強く希望されて特別対応しようか迷ったけれど、セミナー中に破水したらそれこそマズイと思って、お断りしたのを覚えています。
“人によって言うことや態度が変わる人を信用できない” というけれど、変わるのって当たり前じゃないですかね?と思うのです。
日本を代表する大企業の日清食品さんでさえ、社会情勢という名の環境の変化に伴う「健康的な食事の変化」に応じて、商品やメッセージ(=言うこと)が変わってます。
なにがどう変わっているのか、ピックアップしてみましょう。
日本が戦争で負けて食べるものがなかった頃の健康的な食事とは、手っ取り早く高カロリー摂取ができる食事でした。そうして誕生したのがチキンラーメンです。(1958年)
高度経済成長期には、立ってでも食べられるとか洗い物がないみたく、簡便にカロリーがとれる食事が健康的な食事とされたのでしょう。器に注いでいる暇もないといわんばかりに、カップラーメンが誕生します。(1971年)
味のバリエーション展開や、うどんやパスタに飛躍し(1980年代)、
90年代は、麺にほうれん草が混ぜ込まれたグリーンチキンラーメンや、カップラーメン八宝菜を発売。さらに麺類以外に、コーンクリームスープやオニオンスープも登場します。
野菜が入ってくる動きは、1991年にアメリカの農産物健康推進基金と国立がん研究所が始めた5A DAY運動(通称:野菜をとろう運動)とリンクしているんですよね。
そうです、この時代の健康的な食事とは、野菜がたくさんとれる食事でした。
2000年代に入ると、コラーゲン入りのカップラーメンや黒ごまチキンラーメンが登場します。健康にいいといわれる成分を含む素材や食材が使われた商品ですね。
この時代は、あの成分をとるとやせた!みたいな検証番組が人気で、放送翌日にはスーパーから食材が消えていた時代です。
このときの健康的な食事とは、健康にいいといわれる成分がとれる食事でした。
2020年代になった近年では、単にカロリーをとったり減らすだけではダメだ!カロリーのバランスが大事だ!
カロリーをはじめとするあらゆる代謝にはビタミンとミネラルが必要で、今の食事には不足している!とそこら中でいわれています。
わたしもこんなグラフ作りましたよ。
つまり、現代における健康的な食事とは、栄養バランスがいい食事を指しています。
これに合わせて、日清食品さんがやろうとしているのが完全栄養食なんです。
カロリーのバランス、ビタミンやミネラルがとれる商品を提供する。見た目やおいしさはテクノロジーを駆使します。
すごいよね〜
こんなに大きな会社でも、これだけの変化をしているのです。
さて、場面を日常生活へ移しましょう。
今週は急に気温が下がり、スーパーでおでんを見つけました。
輪切りで煮込まれた大根、、
そういえば大根だって、
丸ごと1本を床に漬けてたくあんになったり、
いちょう切りになって豚汁になったり、
すりおろして、揚げだし豆腐のお供になってます。
料理という名の環境の変化に伴い、大根だって姿カタチが変わってます。
人によって言うことや態度を変える人は信用できないっていうのは、大根でいう、細切りのサラダだけでいることを要求しているのと同じではないですかね?
人(相手)によって、
時と場合によって、
時代によって、
伝えることや態度、することを変える。
それをコミュニケーションとか、適応というのだと私は思います。
以上、スーパーでおでんを見た途端、写真撮影が止まらなくなったのでしたー
※追伸
1日あたりのカロリーバランスの推移を表した図は、過去ブログより抜粋したものです。国民健康・栄養調査のデータから作成しました。
それではごきげんよう。