書評という名の感想

【書評】母性(湊かなえ著)から、これからの母と子の関わり方を考えた

3歳男の子の母をしています。
身近な方と子どもの話をしていて、あなたの愛は母性というより父性だね!という話になりました。

え?

親の役割なんて、親がいなくなっても子が1人で生きていられるように支援することだと考えていました。その役割に母性とか父性とか性別で役割を分ける必要はあるのだろうか?と疑問が湧いてきました。

母性ってなんだろう・・・?

今まで考えたことがなく、息子と関わる中で自然と答えが見つかるだろうと過ごしていたある日、小説に出会いました。


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タイトルが母性、そのまんま。

著者は湊かなえさんです。湊かなえさんの小説をいくつか読んだことがあるのですが、陰湿でドロドロとした人間心理も容赦なく表現されています。しかもハッピーエンドじゃない。。

でもだからこそ、実話のように生々しく、深い学びを与えてくださる作家さんです。

本屋さんをブラブラしていたところ、パッと目に入ってこの本を手に取りました。

母性とは何かを感じ取れるかと思いきや、まともな登場人物がいません。
まあまあな頻度で、ぎぃぃぃぃぃってなります。

母親の強烈な依存心に頭がおかしくなりそうです。でも、結構あるあるですよ。
割と出会ってきました。

依存心が悪いと言いたいのではありません。
ひと昔前だと、国や会社やパートナーに依存していても何ら問題はなかったですし、女性の場合は自立している人の方が煙たがられていました。

でも時代の流れを見る限り、年金問題にしろ、働き方にしろ、男女平等にしろ、自立が促されているように感じます。

時代が変われば関わり方を変えないと生きていけなくなります。強烈な依存心を持った母親とその娘のストーリーから、これからの母と子の関わり方を考えました。

ネタバレ注意、内容を解説!

17歳の少女の転落記事から始まります。この少女の転落は事故か自殺か殺人か。
「母の手記」と「娘の回想」「母性について」の3部構成でストーリーが展開されます。

「母の手記」と「娘の回想」で真実に迫り、転落記事を読んでいる教師と生徒が母親の『愛能う限り、娘を大切に育ててきました』という言葉から「母性について」考察していきます。

主人公の母はいい人。褒められて育ち、周りが求めていることを察してそれを提供し、他者から喜ばれることが誇り。姑から理不尽な扱いを受けても、グッとこらえて笑顔で全てを引き受けるような人物。

このいい人がいい人のまま、ねじ曲がっていきます。

幼少期から誰からもよく褒められ、褒められることが当然だと思っていた。
ある日、絵画教室で自分の作品よりも別の作品が賞賛されている光景を見て嫉妬心を抱く。

絵画教室で出会った男性と結婚。この男性こそ賞賛されていた作品を描いた男性で、本心はよく思っていなかった。それでも結婚した決め手は、この男性とデートをしたり、プレゼントをもらうとお母さんが喜ぶから。

やがて女の子を産み、母親になった。
自分がお母さんに喜ばれ褒められることを第一に考えてきたように、娘にもそうするように要求しながら育てていく。

そして台風の日、お母さんと娘とで究極の選択を迫られた。この日以来、娘をうらむようになる。

娘は賢い人。台風の日以来、父親の実家で暮らすことになったが、そこには猛烈に意地悪な祖母(姑)がいた。いじめられる母を自分が盾になることでかばい守ろうとする。

母に対する姑のいじめを間近で見ていたこともあり、人の意地悪な心理も読むことができた。母を守るために悪意や悪事にも目立ち向かうが、母には全く伝わらずに苦しむ。

自分は相手をこんなに愛しているのに、ちっともそれが伝わらない!と母と娘で、心の中で大炎上していく。あくまでも心の中で。
お互いがお互いを想う形が、自殺とも殺人とも呼べる転落に発展した。

(あらすじ終わり)

母と娘の見事なすれ違いを目の当たりにしました。こんな風にすれ違っていくんだなと感じ、学んだところをピックアップしていきます。

愛するとはなにか?

愛されていない子どもには、あそびがない。
あそびがないという性質は、他者から「まじめ」という一般的な褒め言葉で表現されがちなので、本人は自分に欠けているものに気付こうとしないし、他者からその性質を感じとっても、自分には必要ないものだと判断してしまう。
(第一章 娘の回想)

続けて、

許される=愛される。
わたしの中で成立する式だった。愛されるためには正しいことをしなければならない。喜ばれることをしなければならない。(第一章 娘の回想)

ダメなところは受け入れませんとなると、まあ愛されていないと感じるよね。

不真面目で怠惰な私は、他人の期待に応えることに必死な人を見ると病的なものを感じます。

強烈な愛されたい欲に対して反応してそうだな…

許される=愛される。この公式は応用すると、
許す=愛する。許せない=愛せない。ということですね。

安易に褒めてはいけない

子どもの頃からずっと努力はしていましたが、それは両親からの愛の元に成り立っていたもので、私の行為は褒めてもらうことが前提の、甘えが滲んだものだった(第3章 母の手記)

褒められることが前提にあると、自分の意志は不在になることがよくわかります。自分の意志が不在になると、自分の行いに責任を持たなくなりますね。

思い返すと結構いました。褒められたがり屋さん。褒めないと機嫌を損ねられましたし、冷たいともいわれましたね。
褒められることが前提の努力だから、褒めてくれる人がいなくなったときに自分を保てなくなるんでしょうね。

努力の矛先が他者に移りやすいのは理解できます。私にもそういう時期があったので。
今している努力は誰のため?と定期的に点検しないとですね。

また、安易に褒めるのは、自分の足で立てない人に育ててしまうから気をつけないとです。

いや!やだ!NO!というのが素直

母にとっては嬉しいことなのだ。ならば、わたしは喜んであげなければ。(第4章 娘の回想)

愛されるために喜ばれようと、本心を感じたままに表現せずにひた隠している心境です。
すごく苦しそう。。

子どものいやいやにはゲンナリすることもありますし、3歳児のやだ!も相当なものですけど、それが健全なんですね。

成長したどこかのタイミングでNOというのはわがままで、身分が上の人のいうことを思考停止で聞くのが素直と勘違いされているケースが散見されます。
どこで切り替わってしまうんでしょうか?

俺・私のいうことに従うのが素直って、ただのワンマン。
ワンマン気質の人は、この人だったらNOと言わないだろうと、感覚的にNOといえない人を見抜いています。結果、真面目な人が損をします。

そこに悪意がないから、真面目な人は受け入れてしまう。やっぱり真面目な人は損をする。

子どものやだ!には付き合ってあげよう。
夜にビールを飲んで解決だ!

言わない優しさがあるから、自分で疑うことが大事

「ママには、こうしなきゃいけないっていう自分流の信念みたいなもんがあるからな。そうしなくても成り立っていくんだ、なんて今さら言われたら、これまでの人生を否定されたような気分になるだけだろ」(第5章 娘の回想)

今までうまくいっていた手法が通用しなくなったり、正しいと思っていたことが間違っていた、自分には合わなかった、なんてことはよくある話。

求めてもいないアドバイスはクソバイスと揶揄される通り、それを知っている人は何でもかんでも言葉にしない優しさを持っています。

思慮深い人や、失敗は成功の近道と捉えているタイプに多い印象です。あそぶと楽しい人達!

例えこれまでの人生を否定することになったとしても、それによって身がちぎれるような気持ちになっても、自分で自分を疑い、自分で自分を否定する必要があるのだと思います。

手出し口出ししないことですね。疑って否定する思考を遮らないために。

首都圏に住んでいるとホンマに危ないときがまあまああります。車があまり通らない田舎にいきたいな。

すれ違いを回避するために

「愛能う限り、娘を大切に育ててきました」という母に対して、「母から殺したいほど憎まれている」と娘は思っていたり、心配させまいと涙を我慢する姿をムスッとしているように見られたり、母と娘で同じできごとを語っていても双方で受け止め方がまるで違います。

この辺りは読んでいてイガイガします、イガイガ。

親子であっても同じ感性、同じ感受性ではない。すれ違うのが普通くらいに思っていた方がよさそうです。

すれ違うのが普通だと心得ていたら、あなたがそうすることに対して私はこう感じた。それが嫌だった。あなたはそういう風に感じたのね、私はこういう考えでそうしたのよ。以上!

となるわけじゃないですか。でも、
話し合いができるためには、感じたことを感じたままに表現されても許す=愛する が前提にあります。

子ども目線に書き換えると、
自分が感じたことを感じたままに伝えても許されること=愛される ことが前提にある。

あれ、最初に戻ったぞ。

愛したいのか愛されたいのか

この物語に出てくる母親が、どうしてあんなにも愛されることを求めるのかが謎でした。
承認欲求の塊だから?

上の図はマズローの法則です。
う〜ん、承認欲求とはちがう。あの母の場合、自己実現の欲求に「愛されること」が入っている。

娘を愛しているのかもしれないけれど「愛されること」の方が強かった。だから、娘に伝わらなかった。

あ、

母性とは愛すること、ということだ!

まとめ

母性とは愛すること、という結論にたどり着きました。小説の最後に母性の定義がでてきます。私がたどり着いたものとは異なりました。

解釈っておもしろい。

この本は小説です。育児本でもなければ自己啓発本でもありません。心理学の本でもありません。

私はいつものクセでつい、原因と結果からの教訓と得るような読み方をしました。
そんな読み方をしなくてもミステリー小説としてゾクゾク感がたまりません。

この物語を映像化されることがあったら観てみたいです。そして、読んだときとの違いを比較して楽しみたい。きっと残るものに差がある。
なんてことを考えながら、ブログに綴りました。

もうすぐ母の日、母の日に母性とはなんぞや?に触れてみるのもいいですね。

 

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今日はこの辺でおしまいです。
それではごきげんよう。