ライフステージ

食品添加物がもたらした笑顔とシアワセの物語

世の中には「食品添加物」があふれている。
外食にしても、お惣菜にしても、スーパーで売られている食品にしても、いろんなところに食品添加物が入ってる。

食品添加物は、いろんなとことで「食べたらヤバイ」といわれている。

ネットを見ても、テレビを見ても、本屋に行っても、そこらじゅうで「食べたらヤバイ」というメッセージであふれかえっている。

ストレスが心身の健康や美容に大敵であることは、こういった情報を見聞きする人なら1度は聞いたことがあるだろう。

にも関わらずですよ、添加物が入っていないものを探すことに神経をすり減らし、いかにも入っていそうなものには健康に悪だー!と糾弾し、排除しようとする。

ねえ、それやってて楽しい?
その行為こそが、健康によろしくないんじゃないですか?

ここで1つ、食品添加物によってもたらされた笑顔とシアワセの物語をしましょう。

添加物なんて大嫌い?

兵庫県南部にある海の街で有名な明石で、父と母に娘が3人の5人家族が暮らしていた。
父は社会貢献活動にも積極的な食品メーカーに勤め、母は9時5時で市役所レディをしている。

父は食べたいものがあるときは自分で料理をするし、母や娘がつくった料理も文句を言わずになんでも食べた。The昭和時代を生きつつも、亭主関白とは程遠いタイプであろう。

母は、身体によくないといわれるものは口に入れたくないという価値観を持っていた。大切に想うからこそ、旦那や娘の口にも一切入れさせたくなかった。

父は時々、会社でもらったお菓子をおみやげと称して持ってかえってきてくれる。3人娘の中でも特に末っ子は、この “めずらしいお菓子” に興味津々で目を輝かせていた。
さあ、食べよう!とすると、すかさず母はこういうのである。

『変なもの食べさせんといてよー 』

『変なものってなに?』少女は父に聞く。
『なんやろな、こそーっと食べ 』

父とコソコソしながら食べるお菓子が最高においしかった。

身体によくないといわれるものは入れたくない母は、日々の食事に食品添加物をいれないようにしていた。

朝食と夕食に加えてお弁当も手作りだった。食事だけではない、お菓子でさえもクッキーやケーキを焼いてくれた。フルタイムの仕事をしながら毎日全てを手作りするなんて、神業以外なんでもない。

ところが、それを揺るがす事件が起こった。

1995年1月17日 阪神淡路大震災 

1995年1月17日の朝方、阪神淡路大震災が発生した。

家は大きく揺れた。家具や家電は全て倒れ、家の中がぐじゃぐじゃになった。
食器棚も倒れ、ほとんどの食器がわれた。
水が出ない、電気がつかない、火はつくか?火事へのリスクを考えると火はつけられない。

揺れがおさまるのを待ち、なにが起きたのかテレビをつけてみると、神戸の街は大きな黒い煙に包まれ、建物はペシャンコになり、高速道路が倒れていた。

『えらいことになってもうた 』

父はつぶやき、大きな家具を片付けてからどこかへ行ってしまった。

・・・お腹空いた
そりゃお腹もすくよね。朝からなにも食べずに片付けしてるんだもん。でも、食べるものがない。食器もわれてしまっている。水も電気も復旧したけれど、またいつ地震がくるかわからない。
とても料理ができる状況でない。

お腹空いた・・・

すると父が帰宅した。どこから調達してきたのだろう。
カップラーメン、サッポロ一番塩らーめん、メロンパン、フランクフルトパンと食べものをどっさりと持って帰ってきた。

少女は感動した。食べものにありつける感動ではない。CMやスーパーで見かけるおいしそうな食べものを、1度でいいから食べてみたかったのだ。

母は躊躇した。食べても大丈夫かしらと不安があったのだろう。
父が調達してきた食料を見つめつつ、娘たちの顔をチラリとみたその瞬間、母の中に新しい風が吹き込まれた。

母は湯沸かしポットに水を入れ、メロンパンの袋を開けた。

ついに、カップラーメンデビューの日がきた!
インスタントラーメン、メロンパンもデビューだ!やったー!

当時小学2年生だった少女は、デビューの目白押しに浮かれていた。
親に禁止されていることができるようになることで、少しでも大人に近づけたような気がしたからだ。

ズルズルズル、ヒューごっくん。

母は浮かない顔をしていた。
さては、変なものをあげてしまったと罪でも犯した気持ちになってるな〜。

『おかあさんのごはんもおいしいけど、これも美味しいよお〜。なあ、おねえちゃん!』
『うん。毎日これは嫌やけど、これはこれでいい。土曜日の部活終わった後のごはんとか作るの大変じゃない?しんどかったら、こういうのでいいよ?自分でやるし。』

『さよか〜。』母は微笑んだ。

親からもらっていた愛

地震の被害にあったものの少しずついつもの日々に戻っていったが、元に戻ったワケではなかった。新たに迎えた日常生活は、それまでの日常生活とは異なるものだった。

阪神淡路大震災以降、土曜日のお昼ごはんには、キャベツがこんもり盛られたサッポロ一番塩らーめんが登場することが増えた。大袋に入ったお菓子も見かけるようになった。
少女が給食から卒業すると、お弁当のおかずには冷凍食品が容赦なく入ってきた。

少女はやがて大学に進学し、栄養学を専攻した。
大学では食品添加物がなんたるかも学んだ。母の手作りごはんの背景に、愛情が込められていたことにこの時初めて気が付いた。

『食べたいものを禁止させるなんて鬱陶しいと思ってました、ごめんなさい。』

その反面、あれほど身体によくないといわれるものを口にしたがらなかった母が、どうして容赦なく取り入れるようになったのだろう。彼女は不思議に感じた。

『お母さんさ、インスタントだろうが、お惣菜だろうが気にしなくなったよね?どうして?』

『阪神淡路大震災で、お母さんはこのままではダメだと思ったのよ。添加物をいれないようにってごはんを作ってたけど、それだと災害時になにも食べられなくなってしまうなって。
あんた達はおもしろがって食べてくれたけど、もし仮に “インスタントはイヤ、袋のパンはイヤ”っていわれてたら、守りたい命を守れなかったと思うのね。なんでも食べられる子にしておこう!と改めたわけ。』

健康を願って食事を作ってくれていたことに愛情を感じた。でも、親元を離れたときでも生きていけるように育ててくれたのだと、添加物と共存した食事に、強さを帯びた愛情を感じた。

イヤイヤ星人は知ることのない世界

彼女は大学卒業後、就職のため親元を離れて横浜で1人暮らしをスタートさせた。

2年後、2011年3月11日東日本大震災 発生

おやつの時間に発生した大地震。翌日は出社するか否か迷ったが、有機溶媒をたれ流したままになっている実験室(職場)が気がかりで出社した。その間にスーパーから食べものが消えた。買いだめの習慣がない彼女の冷蔵庫には、食材がほぼない。

スーパーの食品売り場では、“仕入れの目処は立っておりません” の張り紙が貼られている。
オーマイガー!

『会社に行ってる間にスーパーから食べものが消えた』

同じマンションに住む同期に連絡をしたら、カップラーメンやインスタントラーメン、袋のパンを恵んでくれた。その食料で数日間を過ごせた。

“仕入れの目処は立っておりません” ということは、確保した食料もなくなってしまう可能性があった。それでも同期は、あの状況で出社を選択した鈍臭い私に食べものを分けてくれたのだ。

もし、添加物イヤイヤ星人だったら、彼・彼女たちに心の底から感謝できなかっただろう。

なにを優先するかの話

2019年9月5日令和元年房総半島台風 発生

大きな台風が首都圏を襲うと前日からニュースが流れていたこともあり、私は早めにスーパーへ足を運び、数日間水道や電気が止まることも想定して食べものを選んだ。

息子は2歳になったばかりだった。消化管の発達も十分ではないし、幼少期の食事は身体への影響が大きいことも知っている。

健康も大事、でも生きることも大切だと思っている。
息子には1秒でも長く生きて欲しいと願っている。これは母のエゴだけどね。

数日間水道や電気が止まることも想定し、食べることがまず大事と判断したら、パン屋さんのパンではなく保存料が入ったパンに手を伸ばしていた。

そしてこのとき、守りたい命を守るためになんでも食べられる子にしておこう!と方針転換した母の考えと愛情を、本当の意味で理解したのでした。

<完>

補足:なんのために生まれてきたのか

いいか・わるいかで食べものを選ぼうとすると、ものすごく神経を使うと思うんですよね。
不本意にも悪いものが入ってきたら罪悪感に苛まれるでしょうし、悪いものを入れないようにしようとすると、時間も体力も必要になります。

時間も体力もあるうちはいいでしょう。時間がとれないときや疲れているときでも排除しようとすると、まあイライラしてきますよ?

選択肢も狭まりますし、それだけ楽しみもなくなってしまうんじゃないかな。

色にだって、白と黒以外にも青・赤・緑があるように、こういうときはこれ、ああいうときはこれ、って判断軸を変化させていってもいいんじゃないかなって思うんです。
そんで、その判断軸で選んだんだから後悔も文句もなし。だってさ、

私たちは、楽しむために生まれてきたんだからさー!

いつもとは異なる形で書いてみました。
本日は以上です、またねー!

 

【参考記事】
▼添加物フリーを求めると時間と体力を使う例
市販の漬け物に入っている添加物が気になるなら、無印『発酵ぬかどこ』を使ってみよう

▼感情が消化と吸収に影響している話
コロナ痩せを解消する方法【感情と胃腸のつながりを知りキレイに太ろう】