プロフィール&実績

「非難・誹謗の対象から賞賛へと変化する流れ」を3年で経験できた講師業

2017年から3年間勤めた、横浜市立公立小中学校での食育セミナーの講師業が終了しました。

出会った教職員や保護者の数は約2000名、総セミナー時間は3300分。
新型コロナウイルスの影響により半年ほどの空白がありますが、あっという間でした。

あっという間に感じた理由はタイトル通りです。
「非難・誹謗の対象から賞賛へと変化する」流れを、ひしひしと体感していました。

私が講師を担当していた食育セミナーは、ハマ弁事業の一環になります。
ハマ弁とは何か?ハマ弁事業とは何か?については、ネットでググれば出てくるのでここでは割愛しますね。

3年前は、非難や誹謗の嵐でしたね。
今でもネット上には非難や誹謗の声が残っていますが、税金の無駄遣い、使いづらい、誰のためにあるんだ?などの声をダイレクトに聴いていました。

この3年の間に、当日注文を実現させ、低所得世帯には無償提供をし、献立に工夫をこらし、講師3人であちこちの学校で食育の話をさせていただきました。

そうしたら、なんと!

・これが給食になったらいいのにー!
・わたしのお昼ごはんにしたいくらいー!
・先生、どうぞどうぞ、お茶にします?コーヒーがいいですか?

ワルモノだったハマ弁が、ヒーローとして受け入れられるようになったのです。

私は講師として下のようなお題目で、
・成長期は何をどれだけ食べたらいいか?
・栄養バランスの良いお弁当作りのコツ
中学生の食事がいかに大切か?をお伝えするところに関わらせていただいていましたが、

個々が自分のできることに集中し、それが合わさってみんなのチカラになれば、ここまで変わるのだなあと体感できたのは快感でした。

私個人のスキルとしては、人前でわかりやすく伝える能力以外に、立ち振る舞いや受け答えも含めたイメージ極悪のものを善へと変えるのコミュニケーション能力が強化されました。
また、感情を味わい尽くすことで心も強くなったと自負しています。

さて、4月からハマ弁は給食の立ち位置へと変わります。それに伴い講師を卒業です。
横浜市教育委員会に近いポジションで、新しいお仕事に邁進いたします。

ワルモノとされても踏ん張れた理由

大きく3つあります。
まず1つは、目の前に人がいる状態でしゃべるのが楽しいです。

食事は私生活で、私生活は聖域。
この聖域を犯さずに、どれだけ食の大切さを伝えられるか?
生活スタイルや性格、心境を探りながら伝えていくのが楽しいです。

もう1つは、私個人としてもハマ弁があったら助かると感じたからです。
献立を考えて買い物して、おかずを作ってお弁当に詰めて、お弁当箱を洗ってって結構大変だと思うんです。

息子の離乳食が1日3回のとき、ゼーハー言ってましたからね!
2歳で保育園が見つかって、給食を食べて帰ってきてくれるのがどれだけ神だと思ったことか…

最後は、ハマ弁は皆が対等にチャレンジできるようなツールの1つだと思ったからです。
これは講師として、あちこちの学校を訪問しながら思うようになりました。

横浜市内にある某中学校ではパンの自販機が置いてあります。この自販機でパンを買うとスーパーやコンビニで買うより230円安く買えます。

昼食にこの自販機で1個あたり70円くらいのパンを買い、帰るころに夕飯と翌朝のパンを買って帰る生徒さんがいるんですよ。
1日3食で210円ですね。

以前、文科省のHPにも掲載されていましたが、食事によって学力に差が出ることがわかっています。調査項目は国語と数学でしたが、国語は読解力、数学は思考力を養う科目なので、最低限の食事ができないと読解力や思考力が養われないということです。

読解力や思考力がないと、他者と円滑なコミュニケーションができなくなるため、就職も厳しくなることが容易に想像できます。

貧しいというだけで、対等にチャレンジできないなんて不公平極まりない・・・

ちなみにですが、アメリカで行われたベーシックインカムの社会実験でこんなことがわかりました。
・フルタイム労働者28→40
・借金清算52→62
・不意の出費への備え25→52
・抑うつや不安が少なくなり健康状態も向上
食費が約4、タバコや酒類1%未満

最低限の食事ができるようになれば、脳も身体も健全に育ちますね。

ハマ弁の低所得世帯への無償提供の動きを知っていたので、踏ん張れました。

非難や誹謗された時に感じていたこと

初対面の食育セミナーにきた講師に対して、それを言っても何も変わらないよ?と思っていました。

ただ、丁寧に対話をしていると、文句を言っている本人もそれを理解しているんです。

言ってもしょうがない相手に難癖をつけたり攻撃してくる人は、
①その人自身に問題を抱えていてじぶんという存在がその問題のトリガーになっているか、
②視野が狭いだけ だったりします。

1人が文句を言ってそれに群がるように非難誹謗する人は、③自分に自信がありません。
1人では何も言えないということですから。

「あぁ、なんだか怒ってるなー」くらいに感受性のアンテナをポンコツにして過ごしていました。そうすることで、難癖をつけたり攻撃してくる人の感情までもが入り込んでくることはなかったです。
また、大嫌いを大好きに変える心理ゲームだと思いながら取り組んでみたら、楽しくもありました。

 

他者の評価って割とすぐに変わりますね。
これからも闘うぞー!