食美容

緑黄色野菜、全員集合!【管理栄養士がごはんと味噌汁だけで栄養バランスがととのう理由とコツを解説する】

現在発売中のLDK the Beauty5月号「老けない肌の最短ルート」の企画にて、美肌をつくる食事について取材を受けました。

LDK the Beauty 2021年5月号 [雑誌]

誌面の中でこんなことをお伝えしています。

美肌のために毎日バランスのとれた食事を!なんて幻想は捨ててよし。主食+具沢山みそ汁でもOK

 

誌面では簡潔にまとめていただきました。このブログでは詳しく栄養バランスの解説と、味噌汁に入れるおすすめの具材についてまとめていきます。

ごはんと味噌汁が持つ栄養素の実力

主食がエネルギー源になるのは言わずもがな。日本食品成分表2020年版(八訂)によると、主食の中でもお米に関しては、たんぱく質が6%含まれていることがわかります。

女性用のお茶椀に軽く1杯のごはんを盛った重量は約150g。このうち6%がたんぱく質ということは、ごはん1杯のたんぱく質量は9gになります。1日3杯だと27gですね。

たんぱく源というと、納豆や鶏むね肉をイメージされるケースが多いです。それぞれ1食あたりに含まれるたんぱく質量はこのくらい。

納豆1パック40g中のたんぱく質:6.6g
鶏むね肉100g中のたんぱく質:19.5g

お茶碗1杯のごはんを食べると、納豆1パック分のたんぱく質はとれますし、1日3杯食べると鶏むね肉1食分以上のたんぱく質がとれてしまいます。

ごはんはたんぱく質源でもあるんですよ。
ただし、ごはんのたんぱく質も完全ではありません。

アミノ酸レベルで見ると必須アミノ酸のリジンが少ないです。必須アミノ酸は9種類あり、全てのアミノ酸がそろうことで体内で力を発揮できるようになります。

栄養素はディズニーランドとよく似ています。ディズニーランドはミッキーマウスやドナルドダックなどのキャラクターがいて、アトラクションがありますね。さらに、感動のパレードもついて、ディズニーランドはテーマパークとして機能しています。

必須アミノ酸の1つ1つはちょうど、キャラクターとかアトラクション、パレードといったテーマパークにあるパーツみたいなもの。
どれか1つでも欠けたら全体として機能できないんですよ。

アミノ酸に限らず、たんぱく質やビタミンやミネラルもそう。
栄養素というのは、パーツがみんなそろって機能するという性質を持っています。

そういう点では、リジンが少ないごはんだけだとたんぱく質のバランスがいいとは言えないですね。そこで、登場するのが味噌汁。

味噌汁の味噌にはリジンが豊富です。ごはんに足りないリジンを味噌が補います。
ごはんと味噌汁がタッグを組むことで “たんぱく質の面では”
、最強コンビとなるんです。

味噌は大豆からできていますね。大豆にはたんぱく質もアミノ酸もビタミンもミネラルも豊富です。
さらに、微生物によって発酵された味噌は、発酵の過程で微生物が生み出したビタミンも含まれます。

上記をまとめると、

ごはんと味噌汁だけでも、エネルギー・たんぱく質・ビタミン・ミネラルがそろう

ごはんと味噌汁だけでもパーツをそろえやすい。でもまだ、完全ではありません。

具材になにを入れようか?

パーツがそろいやすいごはんと味噌汁コンビも、全体でみると悲しいくらい少ない栄養素があります。それは・・・

ビタミンA、ビタミンC、食物繊維

ごはんと味噌汁の汁だけの栄養バランスは、ディズニーランドでいうキャラクターはみんなそろった状態。アトラクションと感動のパレードがまだありません。もうちょっとだ!

ごはんと味噌汁で栄養バランスをととのえる(ディズニーランドを完成させる)べく、具材にビタミンA、ビタミンC、食物繊維を含む食材を入れましょう。

そこでおすすめなのが緑黄色野菜です。

改めまして、緑黄色野菜とはこんな野菜です

緑黄色野菜とは、カロテンを可食部100g中に600μg以上含む野菜の総称です。
色の濃い野菜といわれがちですが、厳密には数値基準が厚生労働省により定められています。

ただし、トマトやピーマンのように食べる回数や量が多い野菜については、数値基準を満たしていなくても緑黄色野菜として分類されます。ややこしいですね…

緑黄色野菜の基準となるカロテンという成分は、体内ではビタミンAに変換されてビタミンAとしてはたらきます。つまり、カロテンをたくさん含む緑黄色野菜はビタミンAが豊富ということと同義です。

緑黄色野菜はビタミンAだけでなく、ビタミンCや食物繊維も豊富に含むことが多いんですよ。だから、味噌汁に緑黄色野菜を中心に入れておくと、栄養バランスがととのいます。

ディズニーランドも完成だね!
ふふふ、ツメがあまいぞ。
肝心のアレを忘れとるやないか。

緑黄色野菜、全員集合!ついでに旬もまとめたよ

緑黄色野菜は基準があるけれど例外もありということで、管理栄養士でも聞かれたら都度確認するくらいだったりします。

ということで、あいうえお順にまとめておきますね!
ビタミンCは季節による変動が大きい栄養素のため、旬も書いておきます。

あ行

あさつき:春
あしたば:冬
アスパラガス:春
さやいんげん:夏
エンダイブ:冬
おかひじき:春
オクラ:夏

か行

かいわれ大根:夏
かぶ(葉):冬
かぼちゃ:夏
からしな:春
ぎょうじゃにんにく:春
キンサイ:夏
クレソン:春
ケール:春
こごみ:春
小松菜:春

さ行

サラダな:夏
サンチュ:夏
さやえんどう:春
さんとうさい:冬
ししとう:夏
しそ:夏
じゅうろくささげ:春
春菊:冬
すぐきな:冬
せり:春
タアサイ:冬

た行

大根(葉):冬
たかな:冬
たらのめ:春
チンゲンサイ:冬
つくし:春
つるな:夏
つるむらさき:夏
とうがらし:夏
豆苗:春
トマト:夏
ミニトマト:夏
とんぶり:秋

な行

なずな:春
なばな:冬
ニラ:冬
にんじん:春
ねぎ(葉ねぎ、こねぎ):冬
のざわな:春

は行

バジル:夏
パセリ:周年野菜
葉たまねぎ:春
ピーマン(青・赤):夏
ふだんそう:夏
ブロッコリー:冬
ほうれんそう:冬

ま行

みずな:冬
みつば(切りみつば・根みつば・糸みつば):夏
みぶな:冬
芽キャベツ:冬
モロヘイヤ:夏

や行

よもぎ:春

ら行

レタス(水耕栽培):夏
サニーレタス:夏
リーフレタス:夏
ルッコラ:春

わ行

わけぎ:冬

全員集合と書いておきながら、地域性の高い伝統野菜は入れていません。情報が少なくて誤報になりかねないので省きました。

旬も並べてみると、秋に旬を迎える緑黄色野菜が少ないことに気づかれたと思います。

季節によってビタミンCの含有量は変動するので、旬は大切にしたいところ。

<例> ほうれんそう100g中のビタミンC含有量
夏収穫:20mg
冬収穫:60mg

とはいえ、ないものはしょうがないですね。旬の時期よりは少ないけれど0ではないからよし!と考えて、たっぷり入れることでクリアしましょう。

食物繊維なら、きのこや海藻類もたくさんとれるよ!

量はどのくらい入れたらよい?たんぱく質は足りるの?

パーツがそろったら次は量。肝心なアレとは量です、量!
量については、一汁三菜の副菜と副々菜を味噌汁に入れてしまうイメージです。
野菜は生の状態から火を通すとカサが減るので、これだけ?と感じても量は食べているケースがほとんど。味噌椀にこんもりするくらいの野菜を食べれば量はクリアしやすいです。

たんぱく質は足りるの?

1日に必要なたんぱく質はこのくらい。

<20〜50代 >たんぱく質食事摂取基準2020年版
女性:50g
男性:65g

最初に書いた通り、ごはん1日3杯でたんぱく質量は27g。
そこに味噌汁の味噌の分が入って、必要なたんぱく質量の半分以上はクリアしています。

鶏むね肉は1食分100gでも20gのたんぱく質がとれるのも最初に書きました。むね肉に限らず、お肉や魚は1食分で20gとか簡単にとれます。

ごはん1日3杯に味噌汁、お肉や魚を1食以上食べれば、1日に必要なたんぱく質はクリアします。

料理に時間をかけられないときは、こんな風に魚やお肉も味噌汁に入れるといいですね。

たんぱく質はお肌や筋肉の元になるから大事といえば大事なんだけど、量はクリアしやすいんですよ。食事ができていれば不安や心配は不要です。

ついでに書いておくと、たんぱく質を代謝してできる窒素を体の外へ出すときには腎臓にはたらいていただいています。あまりにもたんぱく質をとりすぎると、腎臓を酷使することになるんですよ。

腎臓病の方の食事は、なるべく腎臓に負担をかけないようにとたんぱく質を制限します。このことからも、たんぱく質がどれだけ腎臓に負担をかけるか、ご想像いただけますとあなたの腎臓が喜びます。

さて、種類と量がそろったところで栄養バランスは完成です。ディスニーランドも完成です。
豚汁って最強なのよね〜。

超かんたん!味噌汁のお出汁をひく3パターン

味噌汁が健康や美容にいいとは知っていても、お出汁をひくことにハードルがあるとよくいわれます。

その点については、ファッションブランドGUEST LIST 様のところで連載しているコラムに書きましたので、そちらをご覧くださいませ。

連載コラム第30回目:毎日味噌汁、かんたんな出汁のひき方3パターン

 

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さて今回は、管理栄養士がごはんと味噌汁だけで栄養バランスがととのう理由の解説と、おすすめの具材をご紹介しました。

食材の買い出しから準備、片付けまでとても楽チンになります。料理に時間がかけられないけど、栄養バランスはととのえたいときにおすすめです。

本日は以上です。
それでは、ごきげんよう。