スルリとやせて美肌になれる食べかた

お米で肌磨き。玄米と白米と分づき米と雑穀と、今日はどれを食べようか?【体質・体調・性格・理想の容姿で選ぼう】

代官山にあるハイエンドなファッションブランド取り扱うGUEST LIST様が運営する、webマガジンでコラムを書かせていただいています。

第28回目が公開されました。
肌荒れしやすい春先、食事でゆるがない肌をつくるには?

主食を見直そう!と書きました。主食といえば、パンorごはんですかね。
麺類もあるけれど、パンとごはんに比べたらそんなに頻度高く食べないんじゃないかな・・・ということで、パンとごはんに絞って書きました。

コラムの中で詳しく書いていますが、パンとごはんだと水分量が異なります。
主食は頻度高く量も多く食べるため、1週間、1ヶ月、1年と積み重ねたときに身体の中の水分量に差が生じ、ごはん中心生活をしているとお肌もしっとりしてきます。

さて、そんなごはんですが、いろんな種類があります。玄米、白米、分づき米、雑穀ごはん、コシヒカリ、ササニシキetc…

今日はどれ食べようか・・・?

それぞれ特徴があるので、特徴をまとめていきます。

ごはんの特徴を知ると、あなたの体質や今日の体調、なりたい外見によってお米を選ぶことができるようになりますよ!

精製度が異なるとこんなにちがう:玄米、分づき米、白米

精米度に応じて「玄米」「分づき米」「白米」と呼ばれています。

玄米は精米せずにぬかが全て残った状態の米、白米は精米でぬかを全て取った状態の米、分づき米はぬかをある程度とった状態の米です。

分づき米は、どの程度ぬかを除いたかによって呼び方が変わり、ぬかを3割除くと「3分づき」、7割除くと「7分づき」といいます。

ぬかはビタミンやミネラル、食物繊維が豊富。
お米に残ったぬかの量によって、栄養価や食感・味が異なります。

美肌に関わる栄養素のちがい

ビタミンB1
(mg)
ビタミンB6
(mg)
ビタミンE
(mg)
食物繊維
(g)
玄米 0.41 0.45 1.2 3.0
7分づき米 0.24 0.20 0.4 0.9
白米 0.08 0.12 0.1 0.5

文部科学省:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

【メモ:栄養素のはたらき】
・ビタミンB1
炭水化物の代謝をサポートする。ごはんを食べるときにマスト

・ビタミンB6
肌の元になるたんぱく質の代謝をサポートする

・ビタミンE
ターンオーバーを促す。女性ホルモンの生成や分泌にも関わる

・食物繊維
栄養素を吸収する。不足すると腸内に有害物質が発生し、肌が荒れる

気になるカロリーと三大栄養素の差はこのくらい

エネルギー
(kcal)
たんぱく質
(g)
脂質
(g)
炭水化物
(g)
玄米 346 6.8 2.7 74.3
7分づき米 348 6.3 1.5 76.6
白米 342 6.1 0.9 77.6

文部科学省:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

カロリーと三大栄養素は、精米度による栄養価の差はほとんどありません。
ビタミンや食物繊維は、玄米>分づき米>白米 の順に多く含まれていることがわかります。

じゃあ、玄米を食べたらいいのか!と思ったらそうでもないんですよね…….

玄米の特徴

ぬかが全て残った状態の玄米には、こんな特徴があります。

  • 独特の風味や食感がある
  • かたい
  • 鉄の吸収を阻害する→メニューを選ぶ
  • 調理に時間と手間がかかる
  • 消化に負担がかかる

風味や食感は好みの問題。好きであればノープロブレム!
玄米はかたいです。かたい玄米を噛むことで顎のシェイプアップになります。
噛むことで首から上の血流がよくなって、顔色がよくなるメリットもありますね。

ぬかに含まれるフィチン酸という成分は、植物性食品に含まれる鉄の吸収を阻害することがわかっています。
例えば「玄米を主食に、鉄補給にほうれん草のおひたし」というメニューは、ほうれん草の鉄の吸収効率が悪くなるので、あまりおすすめできません。

女性は月経があるので、普段から鉄をとろうと心がけてらっしゃる方も多いと思います。
鉄補給を目的にほうれん草のおひたしを食べるときの主食は、玄米よりも白米や分づき米、雑穀ごはんに軍配が上がります。

ぬかが全て残った玄米は吸水率が非常に低いです。そのため、浸水時間を長く要します。
浸水時間を加味して生活をしないと、今日のごはんがない!!!なんてこともあります。

先々のことを予測して生活をされている(できる)場合は、なんてことないでしょう。
そそっかしい人や人生行き当たりばったりの傾向がある人にはあんまり向いてないですね。

十分に浸水して炊いた玄米でも、他のお米と比べると消化に負担がかかります。
消化器官が未発達な子ども、消化器官が衰えている高齢者も不向き。
大人でも、よく噛んで食べる時間がない場合、ストレスや睡眠不足などで胃腸が弱っているときには、食べた後に胃痛や胃もたれを起こすことがあります。

胃腸が強くない体質の人や胃腸が弱っているときは、玄米がそのままお通じに出てきた!という話もよく聞きます。
どんなにビタミンやミネラルが豊富でも、吸収されないと意味がありませんね。

胃腸が強くて、体調もGood!しっかり浸水ができて、食べる時間が十分にとれるときは玄米はいいですね。

白米の特徴

ぬかが全て除かれた白米には、こんな特徴があります。

  • 白い
  • 香りや味にクセがない
  • やわらかい
  • 消化に優しい→いつでも誰でも食べられる
  • 調理に時間と手間がかからない
  • 栄養価は低くなる

お寿司には銀シャリ。キラリと光る米粒がたまらない。

ぬかがない白米はやわらかいです。
「噛む」という意識をしないと飲み込みやすく、かたさがないので顎のシェイプップ効果は他のお米と比べるとそんなに得られません。
体調が優れないときや食事時間がゆっくりとれないときに多少噛めなくても、胃腸への負担が少ないです。

ぬかがない白米は吸水効率がよく、浸水時間がとれなくてもおいしく食べられます。
しまった、お米研ぐの忘れてた!!浸水なしの早炊きモードでよろしく!!!
生活の細部にまで注意が行き届かないズボラさんでも安全安心です。

白米は玄米と比べたら栄養価は低くなります。でも、白米と玄米を食べた後のことまで考えてみたんです。

消化に優しく栄養素の吸収ができた白米 vs 栄養価は高いけど消化不良の玄米

吸収された栄養素の量は白米も玄米もそんなに変わらないとか、栄養素によっては白米の方がより多く吸収できていたなんてことも考えられますね。
成分表の数値も研究データもないので、あくまでも考察にすぎないのだけど。

それでもやっぱり、肌の土台となるたんぱく質は白米でも玄米でも含有量が変わらないんだから、消化によくて腸から吸収できる白米と消化不良を起こしやすい玄米とでは、白米の方が優秀だと考えられます。

普段から食べたものがそのままお通じにでてくる人で、しっかり噛んでいるのに食材混じりのうんちが出る場合は、胃腸が強くない体質をしています。
ストレスを胃腸で感じる人も、じぶんは胃腸が強くないと思って食事を選んだ方がいい。
そうなると、消化に優しい白米は誰でもいつでも食べられるお米なんですよね。

もちろん、子どもや高齢者もOK!

胃腸は鍛えれば強くなるけれど、胃腸が強くない人や鍛え中の人、胃腸が弱っているときは、白米をゆっくり噛んで食べた方が身体への負担は少なくて済みます。

分づき米の特徴

分づき米は、玄米と白米の特徴が半々と認識していると覚えやすいです。厳密には精米度によって特徴は変わります。

・3分づき米
ぬかを3割除いたお米。栄養価や味も食感も玄米に近い

・5分づき米
ぬかを5割除いたお米。栄養価や味も食感も玄米が残る

・7分づき米
ぬかを7割除いたお米。栄養価や味も食感も白米に近い

スーパーでお米を買うときもあるけれど、なるべく時間を作ってお米屋さんでお米を買うようにしています。米屋では品種を数多く取り揃えてるので、見て選んで、時々相談して買うのが楽しいですよ。

精米した後の米ぬかも、お米屋さんにとっては産業廃棄分になるのでタダでもらえたりします。その米ぬかでぬか床を作ったり、顔や腕のパックするとお肌がしっとりします。

タダで米ぬかを作り、タダでパックができる・・・一石三鳥くらいのお得があります。

話を戻します。

ぬかを7割除いた7分づき米にしてもらうのが定番です。7分づき米はこんな感じ。

少し茶色いです。炊くとこうなります。


浸水時間も炊飯モードも白米と同じで炊けます。
7分づき米にしてもらう理由は、お米屋さんの店主にこんなことを教わりました。

初めは7分づきから始めるのが無難。食感や味は白米に近く、ビタミンが豊富な胚芽が残り栄養価が担保されている。7分づき米に慣れたら、好みに合わせて精米度を変えていくといいよ。

7分づき米を食べてみておいしかったんです。次に5分づき米にしてみたら、胃の不快感があったので7分づき米で落ち着きました。

私、胃腸があんまり強くないんです。
ストレスがよくない方にはたらくと胃が痛くなりますし、お酒を飲みすぎたり、串揚げ食べ放題とかで油(脂)っこいものを食べ過ぎると高い確率で翌日は下痢してます。

そういうのもあって、胃腸に負担をかけずに摂った栄養素がきちんと腸で吸収されることに重点を置いています。最近は胃腸が弱っている人や胃腸を弱ってしまう生活をしている人が多いので、食事の相談をされたときでもそこを大切にしています。

春先とかお肌をきれいにしたいときは、ベースは白米や分づき米。
さらにビタミンやミネラル・食物繊維を底上げし、機能性成分を有する雑穀を混ぜることをおすすめしています。

雑穀の特徴

雑穀とはなにかというと、「イネや小麦の主食以外に利用されている穀物の総称」と(一社)日本雑穀協会で定義されています。

ひえ、あわ、きび、大麦、アマランサス、そばの実、赤米、キヌアなど、種類はたくさんありますが、これらをまとめて雑穀と呼びます。ブレンドされた雑穀はよく売られてますね。
雑穀に共通しているのが、土壌や気候条件が不良な土地でもよく育つこと。
厳しい環境を耐え抜いた雑穀は、ビタミンやミネラルなどの栄養価が高いことはもちろんのこと、機能性成分を含んでいます。

機能性成分は、身体の機能を調節して元気にしてくれるはたらきがあるので、機能性成分を含む雑穀は食べものにスーパーがついた「スーパーフード」と呼ばれています。

雑穀に含まれる機能性成分

ポリフェノール類

赤米:タンニン、プロアントシアニジン
黒米:アントシアニン
きび:ポリフェノール
高きび:ポリフェノール
あわ:ポリフェノール
そばの実:ルチン、ケルセチン

ポリフェノール類以外にも、大麦にはβ-グルカン、キヌアにはサポニンといった機能性成分が含まれます。

機能性成分が持つ抗酸化力

雑穀に含まれるポリフェノール類やサポニンは高い抗酸化力をもっています。
抗酸化力とは、自らが酸化の犠牲となることで相手を酸化から守ってあげるはたらきのことをいいます。

私たちは紫外線を浴びたりイライラすることによって身体の中で活性酸素を発生させており、この活性酸素によってシミやしわがつくられるという説もあります。
活性酸素を発生させたとしても抗酸化力のある成分が身体の中に存在すれば、その成分が酸化してくれることで私たちは酸化から守られるということです。

なんて健気なんでしょう。

健気な抗酸化力を持った成分を多く含んでいるのが雑穀です。
紫外線が強くなる時期やストレスのシャワーを浴びたときには、おすすめです。

ブレンド雑穀のもう1つのチカラ

よく噛まされること。
粒の大きいものや小さいもの、かたさのある雑穀ややわらかい雑穀、いろんな雑穀がブレンドされることにより食感が生まれます。

食感が生まれると、噛まずには飲み込めなくなります。噛もう噛もうと意識せずとも、よく噛まされるんです。よく噛むと美肌にいいことがあります。

噛むと美肌にいいこと

  • 首から上の血流がよくなり、顔色がよくなる
  • 唾液中に含まれる若返りホルモンと呼ばれる「パロチン」がより分泌される
  • 栄養素の吸収がよくなり、ターンオーバーが促される

かたい雑穀といっても玄米ほどのかたさはなく消化も優しいですよ。
食感を生み出すことによる雑穀の噛むチカラは、分づき米や白米にはないんですよね。

玄米だとツライけど近所にお米屋さんがない、精米機もなくて分づき米が手に入らない場合は、白米にブレンド雑穀を混ぜた雑穀ごはんでもいいですね。

とはいえ、ブレンド雑穀も万能ではありません。持ち合わせた性格によっては欠点と感じるポイントがあります。

酸化しやすいから扱いづらい

抗酸化力が強いということは、裏返すと酸化しやすいということ。
酸化しやすい食品は取り扱いが要注意なんですよね。基本的に酸化の原因となる酸素と光はNGです。

私は冷蔵庫に保管しています。ただ、冷蔵保存でも保管期間が長くなるほど空気にも触れるので、なるべく早く食べ切る必要があります。急かされているような気持ちになりますね。

売られている状態で既に酸化していた、なんてこともザラにあります。酸化していない新鮮な雑穀を選ぶ目利きも必要です。

新鮮な雑穀の見分けかた

  • 脱酸素剤が入っている
  • 粒が割れたり欠けてない
  • 水に沈む

実際にあった雑穀でみていきましょう。
まずは、新鮮な雑穀から。

ぱっと見の印象で、粒がきれい!と感じます。
続きまして、酸化した雑穀です。

割れたり欠けたりして不揃いです。
ぱっと見の印象として、美しさがありません。

両者を水に沈めてみましょう。
(左:新鮮な雑穀 右:酸化した雑穀)

全然ちがうでしょ?

割れたり欠けたりした断面に空気が触れることで雑穀が酸化します。
割れたり欠けたりした破片や、その断面から水分が飛んで軽くなることで、酸化した雑穀は沈むことなく水に浮いたままとなります。

近年の雑穀ブームにより、雑穀を取り扱うメーカーや個人が随分と増えました。
大豆や小豆は粒が大きいため、割れたり欠けたりしやすくなります。
大豆単体、小豆単体での製造ラインではねたものを雑穀として販売しているのでは?と疑いたくなる商品があるもの事実です。

抗酸化力を期待したのに、酸化した食品を身体に入れてしまうことのないよう、雑穀は見分けられることが大切です。

・真空パックになっているか?
・脱酸素材が入っているか?
・外からみて割れたり欠けたりしていないか?

この辺りをチェックすると、酸化した雑穀を選んでしまうリスクはないでしょう。

体調や体質で品種を選ぶ?

品種というより、銘柄といった方がしっくりくるかもですね。コシヒカリにするか、つや姫にするか、ササニシキにするか、という話です。

一口にお米といえども、お米に含まれるアミロースとアミロペクチン比率によって、甘みや風味が濃厚で粘りが強くもちもちした食感のタイプと、それほど甘みや香りが強くなくあっさりさっぱりしたタイプと、その中間があります。

食味官能評価で「おいしい」とされるお米は、アミロース含量が低くアミロペクチン含有量が高い米で、甘みや風味が濃厚で粘りが強くもちもちした食感のタイプです。
代表:コシヒカリ、ゆめぴりか、ミルキークイーン、つや姫など

アミロース含量が高くアミロペクチン含有量が低いあっさりさっぱりしたタイプのお米は、食味官能評価で「おいしくない」と評価されてしまいがちなんですよね。
代表:ササニシキ、朝日

あっさりさっぱりしたタイプの代表として挙げられる品種が少ないのは、「おいしくない」と評価されてしまうことで一般人気がない(農家さんも売れないものを作りたくない)のと、栽培条件の都合上、圧倒的に数が少ないからです。

あっさりさっぱりしたお米は、味の濃さや風味の豊かさは低いかもしれないけど、食べた後の胃のずっしり感が少なくて、胃腸が快調でないときでも食べやすいです。
胃腸が弱っているときや胃腸が強くない人には結構おすすめ!

胃腸が元気なときは濃厚でもちもちのお米もいいですね。

わたしに合うを探す楽しさ

じぶん以外の誰かの評価を基準にすると、体調や体質的に合わないということもあるし、第一に楽しくない。楽しくない食事をしても元気は出ません。

じぶんが基準のお米を選ぶと食事をしても元気が出てくるし、意外とマイナーな方が合っていたということだってあるかもしれません。
わたしに合うお米を探すために、お米屋さんの店主と相談しながら選ぶのもきっと楽しいと思います。

最後、えらく脱線しました。

 

ということで、今回は玄米と白米と分づき米と雑穀について書きました。
栄養価以外にも特徴があるので、体質・体調・性格・なりたい外見で選んでみてくださいね。

それではごきげんよう。

 

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