ラクを選べば、
不健康に向かっていく。
そんな気がした、
楽を選ぶんだ。
ラクをしても不健康にならない世界、
生きている間に見られるのかしら?
ほのかな楽しみを抱えて。
全ての移動がどこでもドア、
すごく、つまらない世界だと思う。
そして ——
すぐに、世界はわたしを試した。
うるさい、うるさい。
誰かが叫ぶ。
それでも、ひとりとして動かない。
静かな狂気が、牙を向けているというのに。
視線をもどし、
鼓動が高鳴る。
あと少し、あと少しと待つ駅に、
命が詰まっていた。
そして ——
すぐに、世界はわたしに問うた。
本能は、生きたいと言っています。
それでも、旅を楽しめますか?
たりないのは感謝ではなく、
絶望かもしれない。